本研究の目的は、独自に確立した正確な人体内配置が反映された刺激伝導系の3次元モデルの作製技術をさらに発展させ、刺激伝導系の4次元形態情報化を行うことである。今回は生理的心臓軸変化に着目して、その4次元変化について成果公表した。 本解析では、刺激伝導系の体内3次元配置を可視化できた意義は大きい。また、立位心から横位心への変化に伴う近位房室伝導軸や左脚分岐部の走行の4次元変化を明らかにした。術前に心臓外形や傾きを把握することで、およその刺激伝導系の位置や走行を知る目安となる。 以上の結果は、術前・中に観察できない刺激伝導系の形態を科学的に推測可能とし、弁膜症外科における伝導障害回避の一助となる。
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