蘇生後意識障害の原因として脳内グルタミン酸の過剰放出が提唱されている。本研究ではグルタミン酸拮抗薬として硫酸マグネシウムを使用しグルタミン酸放出抑制に及ぼす影響を検証した。マグネシウムイオンはカルシウムよりサイズが大きい2価の陽イオンであるためチャネルを閉塞しカルシウムの流入を止めると考えられている。雄性SDラットに心停止を負荷し細胞外グルタミン酸濃度の上昇を観察した。心停止20分後には、両群とも細胞外グルタミン酸濃度が400μmol/Lに上昇したが、マグネシウム投与による低下を認めなかった。この結果よりマグネシウムの脳保護効果はグルタミン酸放出抑制を介したものではないことが示唆された。
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