心筋炎は心筋を主座とした炎症性疾患であり、心原生ショックという生命危機を来す劇症型心筋炎に移行する。本研究では、治療標的分子として心筋炎を惹起する代表的なコクサッキーウイルスに対応する受容体(CXADR)に注目した。マウス自己免疫性心筋炎モデル(EAM)において、CXADR発現は心筋炎極期においては血管内皮細胞および心臓間質に強く、心筋炎後には間質の発現は低下していた。故に、CXADRは心筋炎の発症進展において重要である可能性が示唆された。現在、血管内皮あるいは間質特異的CXADR欠損マウスを作製しており、今後はEAMを誘発することでCXADRのEAMにおける機能的意義を検討する予定である。
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