研究成果の概要 |
熱中症の増加に伴い横紋筋融解のリスクが高まりつつある。今回横紋筋融解における臓器障害のメカニズムをミオグロビン(Mgb)やヘムとの関連から検討した。ヘモグロビン(Hgb)/Mgbによる腎糸球体血管内皮細胞の直接障害に関しては、Hgb 4,000μg/mLあるいは Mgb 2,000μg/mLで顕著な細胞死の誘導が確認された。上記変化は用量依存性であり、よってHgb/Mgbには直接的な腎糸球体血管内皮細胞障害作用がみられるものの、熱中症による横紋筋融解でみられる血中Mgb濃度は20μg/mL程度であることから、臨床的にはMgbが直接糸球体障害をきたしているとは考えにくいと考えられた。
|