本研究成果の重要な点は3つある。まず第一に治療標的となりそうと捉えられるものの治療開発が容易には進まなかった、膠芽腫におけるEGFRを治療標的とした知見であり本報告を嚆矢として更に画期的な治療開発がなされる可能性がある。第二に、殺細胞性抗がん剤を用いると嘔気や倦怠感、末梢神経障害などで患者の生活の質は著しく阻害されるが、本課題は第三世代EGFR-TKIを用いることで有害事象の点で有利である。第三に、患者の気持ちの辛さを改善し得る薬剤であるブレクスピプラゾールを用いることにより、精神的ケアにもつながる可能性を有している点である。
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