脳梗塞は、日本人の死因の上位を占めると共に重篤な後遺症を生じさせる重大な疾患であるが、未だ多くの患者に適応可能な有効な治療法はない。本研究ではプロゲステロン受容体アゴニストnestoroneに着目し、多くの患者を救える新規脳梗塞治療法の開発を目指した。中大脳動脈閉塞(MCAO)による脳梗塞モデル動物においてnestoroneの有効性を検証したところ、MCAO処置18時間後の投与であっても、nestoroneはMCAO後の運動感覚機能障害を大幅に改善させ、脳損傷領域も有意に減少させた。以上の結果はnestoroneが、脳梗塞に対して有望な新規治療薬となり得ることを示唆している。
|