悪性脳腫瘍に対して、脂肪由来間葉系幹細胞/ganciclovirを用いた自殺遺伝子療法の研究を行った。SDラット脂肪細胞より、間葉系幹細胞を分離した。ラットC6脳腫瘍細胞に対し、herpes simplex virus-thymidine kinaseを導入した脂肪由来間葉系幹細胞tkを用いて治療を試みた。In vitroでは、脂肪由来間葉系幹細胞tk:C6の細胞比率が1:16でも抗腫瘍効果を示し、1:8で腫瘍死滅効果が得られた。In vivoでのラットを用いた研究では、腫瘍縮小効果と、生存曲線の延長が確認された。脂肪由来間葉系幹細胞tk/GCV治療は、効果的な治療であると考えられた。
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