本研究では、腱疾患の病因解明や治療法確立の基盤となる腱の形成・維持機構を解明することを目的に、腱の形成・恒常性維持におけるMkxの機能についてラットを用いた解析を試みた。ラットの尾腱およびアキレス腱から腱細胞を取得する方法について検討し、Mkxfloxラット腱細胞を取得することに成功した。4週齢のMkx-Floxラットのアキレス腱から細胞を採取し、Cre遺伝子を導入してqPCRによる発現解析を行った結果、Mkxの発現が抑制されることを確認した。さらに腱・靭帯の主成分であるCol1a1などの腱マーカー遺伝子の発現が減少し、軟骨マスター遺伝子であるSox9の発現が上昇することがわかった。
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