研究課題/領域番号 |
19K09639
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56020:整形外科学関連
|
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
松井 雄一郎 北海道大学, 歯学研究院, 准教授 (20374374)
|
研究分担者 |
村上 正晃 北海道大学, 遺伝子病制御研究所, 教授 (00250514)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
キーワード | 慢性炎症 / デュピュイトラン拘縮 / IL-6増幅回路 |
研究成果の概要 |
デュピュイトラン拘縮は手掌腱膜の病的な線維化により手指の不可逆性の屈曲拘縮や手掌部の疼痛を生じる疾患である。いくつかのリスクファクターが知られているが、その詳細な病態は明らかとなっていない。本研究はデュピュイトラン拘縮における慢性炎症の存在と、すでに報告されている疾患関連遺伝子に着目して行われた。その結果本疾患において、非免疫系細胞におけるIL-6とNF-κBの同時活性化による慢性炎症増幅機構であるIL-6増幅回路(IL-6アンプ)が活性化していることが明らかとなった。さらに疾患関連遺伝子の一つであるSFRP4がIL-6アンプの活性化に寄与していることが分かった。
|
自由記述の分野 |
手外科
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本邦におけるデュピュイトラン拘縮の治療法として、発症初期の症例に対して進行を抑制する有効な方法はない。進行した症例に対する病的手掌腱膜切除や、海外では拘縮索へのコラゲナーゼ製剤の局所注射療法が行われ、一定の治療成績が報告されていが、これらの治療法は屈曲拘縮の残存および再発、屈筋腱損傷等の重篤な合併症が報告されており、より安全性・有効性の高い新規治療法が渇望されている。本研究により、デュピュイトラン拘縮におけるIL-6アンプを主体とした慢性炎症の存在及び、疾患関連遺伝子SFRP4の作用が明らかとなったことで、より低侵襲かつ有効性の高い治療薬開発及び発症初期の治療介入に繋がると考えられる。
|