健側顔面神経と麻痺側顔面神経分枝に自家神経移植を行うcross face nerve graft(CFNG)は顔面神経麻痺の再建術式としてすでに確立されている。しかしながら同術式は患側神経再支配までに6ヶ月以上を要し、移植神経内での軸索伸長速度が低い症例では表情筋の萎縮により満足な結果が得られない。そこで我々はラットを用いたCFNGモデルを確立し、さらに脂肪幹細胞シートがCFNGの効果を促進することを報告した。そしてより臨床に近い大動物実験へ移行するために羊の顔面神経周囲の解剖、及び自家神経移植のドナー部となる腓腹神経周囲の解剖を徹底的に解明した。
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