研究課題/領域番号 |
19K10213
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研究機関 | 九州歯科大学 |
研究代表者 |
近藤 祐介 九州歯科大学, 歯学部, 講師 (00611287)
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研究分担者 |
細川 隆司 九州歯科大学, 歯学部, 教授 (60211546)
正木 千尋 九州歯科大学, 歯学部, 准教授 (60397940)
向坊 太郎 九州歯科大学, 歯学部, 助教 (50635117)
柄 慎太郎 九州歯科大学, 歯学部, 特別研修員 (20759386)
田村 暁子 九州歯科大学, 歯学部, 特別研修員 (30762067)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 口腔乾燥 / インプラント周囲炎 |
研究実績の概要 |
口腔乾燥症は易感染性や創傷治癒不全を引き起こし、歯周疾患を増悪させる。その影響は天然歯周囲に留まらず、インプラント周囲においても同様である可能性が考えられる。インプラント治療を受ける患者は増加しており、また口腔乾燥症罹患者は加齢とともに増加するため、既に超高齢社会に突入した本邦では口腔乾燥症を有する高齢者は飛躍的に増加し、それに伴うインプラント周囲炎の増加は必然である。歯周疾患、インプラント周囲炎そのいずれも細菌感染が大きな原因であるが、これまでの研究により、それぞれに関与する細菌が異なる可能性が示唆されており(Shiba et al. Scientific Reports. 2016)、また、口腔乾燥により細菌叢が変化することも報告されている(Proctor et al. Nat Commun. 2018.)。つまり、口腔乾燥といった口腔環境の変化により細菌叢の変化が生じ、インプラント周囲の炎症をより重篤化、難治化する可能性が考えられる。本研究では、口腔乾燥とインプラント周囲炎の関連を次世代シークエンサーによるRNAシークエンスを含め解析する。これまでにラットモデルを用いた解析で、口腔乾燥のみではインプラント周囲の骨吸収を惹起しないが、インプラント周囲へのプラークの蓄積に口腔乾燥を伴うことにより、インプラント周囲粘膜の炎症および破骨細胞分化が促進されインプラント周囲炎の病態悪化が生じることが明らかとなった。さらに16SrRNAベースのメタゲノム解析から、口腔乾燥群の細菌叢を構成する細菌の種類はコントロール群の細菌と類似していたが、その構成比率は口腔乾燥群とコントロール群の間で大きく異なった.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
概ね順調に進捗しているが、COVID-19感染拡大により若干の研究スケジュールの遅れが生じている。
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今後の研究の推進方策 |
オミックス解析の継続、結果のまとめと発表を予定している。
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次年度使用額が生じた理由 |
COVID-19感染拡大により令和3年度に行う予定であった研究の一部を令和4年度に変更したため、次年度使用額が生じた。令和4年度に行うオミックス解析と結果のまとめに使用する予定である。
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