研究課題
DNA修復機構のPIKKファミリーを構成するATRを阻害することで、5-FUの殺細胞効果が上昇するメカニズムの解明を進めてきた。ウエスタンブロッティングでは5-FUの濃度依存性にATRの自己リン酸化が強く進み、ATR阻害剤を加えることによりそれらのATRのリン酸化は抑制されることを確認した。また、γH2AX抗体を用いて免疫染色を行うことで、ATR阻害により5-FUによるDNA二本鎖切断が増加することを確認した。また、フローサイトメトリーにより5-FU処理後に細胞周期がS期で停止し、5-FUとATR阻害剤の併用でSub-G1の割合が増加していることが明らかとなった。5-FU処理後の遺伝子発現変動をRNA sequenceにて定性的に、qPCRにて定量的に行った。その結果、有意な発現変動を認めた9種の遺伝子はCCNE1、CCNE2、CDKN1A、TXNIP、CCNB1、CDKN3、AURKA、CDC20、PSRC1であり、S期以降で細胞周期停止に働く傾向の遺伝子の発現であった。AURKAの発現抑制は、ATRはAurora Aの活性を受けてセントロメア領域にリクルートされて染色体分配時の安定性に寄与しているることから、ATR阻害剤と5-FU増感効果のメカニズムとして染色体分配時への影響、染色体の崩壊などが考えられた。最終年度には、5-FUとATR阻害剤併用時の遺伝子発現を網羅的に解析するためプロテオミクス解析を行い、オートファジーに関連する遺伝子の著明な発現上昇を認める結果を得た。
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