研究課題
医学科4年生を対象に行った心エコー図を参照しながら行うシミュレータを用いた心臓聴診演習の結果を解析し、学生の満足度と到達度に乖離があることを明らかにし、2021年に論文発表した。また、2019年度までに、43人の医学科1年生に課外の1.5時間x3回で、4年生(正課の3時間1回)とほぼ同一のシミュレータを用いた心臓聴診演習を実施した(ミニレクチャー、聴診トレーニング、2回の異なる聴診テスト)。1 年生の正解率は4年生の正解率と同等かそれ以上であり、1年生でも時間をかけて実施すれば、心臓聴診演習は可能であることが示された。この結果を2022年に論文発表した。さらには、新型コロナウイルス感染症の拡大のため、聴診ウェブサイトを用いて実施した少人数オンライン演習(4年生133名)をそれ以前のシミュレータを用いた少人数対面演習(1,248人)と比較して解析した。ミニ講義後、II音の分裂に関する3つの音、Ⅲ音とⅣ音に関する3つの音、および心雑音4つをシミュレータもしくは聴診ウェブサイトで聴かせ、その後に2種類の聴診テストを行った。1回目は、II音の分裂、Ⅲ音とⅣ音、心雑音の3つのカテゴリー毎にテストを行い、2回目は全ての心音と心雑音を選択肢として実施した。1回目では、Ⅳ音、大動脈弁閉鎖不全症、僧帽弁閉鎖不全症、僧帽弁狭窄症において、2回目では、II音の分裂なし、II音の呼吸性分裂、Ⅲ音、Ⅳ音、大動脈弁閉鎖不全症において、対面に比べオンラインの正解率が高かった。対面での正解率が高かったのは、1回目のII音の異常分裂のみだった。オンライン演習の音がシミュレータの音より学生に分かりやすかった可能性がある。一方、シミュレータを用いた演習で必要な適切な聴診部位における適切な聴診器の使い方が、オンライン演習では必要ないため正解率が高かった可能性があり、オンライン演習の限界を示しているかもしれない。
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Endosc Int Open
巻: 12 ページ: E245-E252
10.1055/a-2248-5110
https://www.csl.med.tohoku.ac.jp/activity/report.html