2023 年度研究成果報告書

人間ドックコホートバンクを用いたがん自然史理論の基づく肺がん発症リスクの定量化

研究課題

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研究課題/領域番号	19K10579
研究種目	基盤研究(C)
配分区分	基金
応募区分	一般
審査区分	小区分58020:衛生学および公衆衛生学分野関連:実験系を含む
研究機関	大阪公立大学 (2022-2023) 大阪市立大学 (2019-2021)
研究代表者	木村達郎大阪公立大学, 大学院医学研究科, 准教授 (50382049)
研究期間 (年度)	2019-04-01 – 2024-03-31
キーワード	肺がん / スクリーニング / MiRNA / リピーター / 早期予防 / 胸部X線写真
研究成果の概要	胸部単純X線検査は肺疾患、特に肺癌のスクリーニングとして大変重要な検査である。本研究は本格的に精度管理をした胸部X線検査と生体サンプルと組み合わせ肺がん発症リスクマーカーを開発することを目的とした。胸部X線検査において同一施設をリピートすることが肺がんの除外診断に有用であり健診受診者のメリットになることを報告した。胸部X線写真からAI診断にて年齢が推定できることを報告した。人間ドックバイオバンクの血漿検体を用い肺がん手術前後に変化するmiRNAを網羅的解析し、最終、4遺伝子（hsa-miR-744-5p, 24-3p, 11181-3p, let-7a-5p）が候補遺伝子として同定した。
自由記述の分野	がん予防
研究成果の学術的意義や社会的意義	肺癌は他の癌と比し進行が速く１回の見落としが治癒の機会を奪うこともありえる。検診において同一施設をリピートすることが肺がんの除外診断に有用であり健診受診者のメリットになる。AI診断にて胸部X線写真から推定した年齢と実年齢に乖離がある場合、慢性疾患があると推察できる。これにより定期健診を受診する必要があると勧告できる。また、早期肺がんマーカーとして4つのmiRNAを同定した。これら遺伝子は、がん抑制作用、血管新生抑制作用、TGFβ１制御作用が報告されている。悪性腫瘍存在時には早期がんにおいてもこのような正常防御反応が抑えられている可能性が示唆された。以上より早期診断マーカーが開発できると考える。