女性生殖発達の撹乱は、多くの成人疾病(乳がん、子宮がん、メタボリックシンドローム等)のリスク要因であることが明らかとなっている。本研究は、女性生殖発達の撹乱因子として、最近の疫学研究で相次いで報告されているパラジクロロベンゼン(pDCB)に着目した。そして、内分泌かく乱化学物質などに対して最も脆弱な時期である胎児期・幼若期のpDCB曝露による雌性生殖発達の攪乱影響について調べた。その結果、胎児期pDCB曝露により、エストロゲン合成に関与する遺伝子群の発現量変化を伴った膣開口の早期化と異常性周期割合の増加、ならびに幼若期pDCB曝露による異常性周期割合の増加が起こることが明らかとなった。
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