研究課題
本研究は、ゲノム網羅的な遺伝情報からがんの多因子遺伝的なリスクスコア(genome-wide polygenic risk score)を開発し、現在の「日本人のためのがんリスクチェックツール < https://epi.ncc.go.jp/riskcheck/>」のアルゴリズムとなっている環境要因だけで構成されたがん罹患リスク予測モデルの改善を図ることを目的としている。ゲノム網羅的な解析をもとに遺伝的リスクスコアの開発を行う際、有意な関連を示す遺伝子多型だけを用いる手法は比較的良く用いられているが、関連が示唆される遺伝子多型まで含めて、より多因子遺伝的なリスクスコアを開発しようとする点が、本研究の学術的特徴である。2019年度の前半は、イルミナ社のSNPマイクロアレイで既にタイピングしている約17,000人分のゲノム網羅的な遺伝情報(約100万SNPs)のin silico Quality Control解析を行い、本研究の基盤となるジェノタイプデータの整備を完了させることで、当初の予定通り【マイルストン1】を達成した。2019年度の後半は、1000人ゲノムプロジェクトのリファレンスパネルを参照したジェノタイプインピュテーションを行い、イルミナ社のSNPマイクロアレイには含まれていない遺伝情報の統計学的な推定を行うことで、当初の予定通り【マイルストン2】を達成した。2019年度は、概ね計画通り、研究を進捗させることが出来た。
2: おおむね順調に進展している
研究計画書に定めたマイルストンを順調に達成しているため。
2020年度の計画に従って、2019年度中に整備したジェノタイプデータとジェノタイプインピュテーションデータを用いて、がんのゲノム網羅的な関連解析を行う。
新型コロナウイルス感染症拡大のため、年度末に参加を予定していた学会が中止になったため。2020年度に、別の学会参加等で、執行を予定している。
すべて 2019 その他
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 備考 (1件)
Scientific Reports
巻: 9 ページ: 17332
10.1038/s41598-019-53654-9
Nature Communications
巻: 10 ページ: 4422
10.1038/s41467-019-12267-6
http://epi.ncc.go.jp/jphc/index.html