研究課題
本研究は、ゲノム網羅的な遺伝情報からがんの多因子遺伝的なリスクスコア(genome-wide polygenic risk score)を開発し、現在の「日本人のためのがんリスクチェックツール < https://epi.ncc.go.jp/riskcheck/>」のアルゴリズムとなっている環境要因だけで構成されたがん罹患リスク予測モデルの改善を図ることを目的としている。ゲノム網羅的な解析をもとに遺伝的リスクスコアの開発を行う際、有意な関連を示す遺伝子多型だけを用いる手法は比較的良く用いられているが、関連が示唆される遺伝子多型まで含めて、より多因子遺伝的なリスクスコアを開発しようとする点が、本研究の学術的特徴である。2020年度の前半は、2019年度中に整備したジェノタイプデータとジェノタイプインピュテーションデータを用いて、がんのゲノム網羅的な関連解析を行い、【マイルストン3】を達成した。2020年度の後半から【マイルストン4】に着手し、がんのゲノム網羅的な解析で、有意な関連とする基準を段階的に緩め、がんとの関連が示唆される遺伝子多型数を増加させながら、複数の多因子遺伝的なリスクスコアを構築し、それらの性能を評価している。
2: おおむね順調に進展している
研究計画書に定めたマイルストンを順調に達成しているため。
2021年度の計画に従って、がんとの関連を有意とする最良の閾値を見つけ、がんの持つ多因子遺伝性を最もよく反映する遺伝的リスクスコアを開発する。
実験消耗品が、予定より安価に購入できたため、次年度使用額が生じた。2021年度に、研究の実施に必要な消耗品の購入で、執行する予定である。
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すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 5件、 オープンアクセス 5件) 学会発表 (1件) 備考 (1件)
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http://epi.ncc.go.jp/jphc/index.html