研究課題/領域番号 |
19K10758
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研究機関 | 大阪信愛学院短期大学 |
研究代表者 |
齋藤 洋子 大阪信愛学院短期大学, 未登録, 教授 (80738592)
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研究分担者 |
吾妻 知美 京都府立医科大学, 医学部, 教授 (90295387)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | セカンドステージ / 移行支援 / 在宅看取り / コミュニケーション |
研究実績の概要 |
少子高齢社会において地域包括ケアが推し進められ在宅療養者と家族の支援や、訪問看護師による在宅看取りの支援が求められている。ライフシフトが叫ばれる中、多くの経験を積んだ看護職のセカンドステージへの移行を支援し、在宅療養と在宅看取りの担い手になるために必要な教育内容について明らかにすることが、本研究の目的である。 セカンドステージにある訪問看護師が在宅看取りの場でどのようにコミュニケーションを持ちながら支援を行っているか、訪問看護の現場でセカンドステージにある訪問看護師がどのような思いで在宅看取りに取り組んでいるかについて明らかにすることにより、経験豊かな看護職のセカンドステージへの移行を促し、在宅療養とその延長線上にある在宅看取りに対する利用者とその家族の願いや思い、負担軽減などの支援につなげることができるという意義がある。
研究協力者へのインタビューの準備として、質的研究の文献よりナラティブ・インタビューとエピソード・インタビューの技法や分析方法に関する理論的学習を行った。理論的根拠や技法について文献学習を行い、実際のインタビューの際に、ナラティブが効果的に引き出せるか検討し質問を組み立てた。実際にそれらの質問を用いて、ロールプレイとインタビューリハーサルを実施しインタビューのトレーニングを行い検討した。物語ることが不得手な人もいることなどを検討しインタビューの技術を磨いた。 インタビューに活かすため、フィールドワークを行い、在宅療養を継続する利用者・家族と訪問看護師との療養生活における相互作用について参与観察を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
実際のインタビューは、コロナ禍緊急事態宣言発令により、職務に追われた。都度都度シラバス変更、見直しが必要であり、実習などの科目配置も前期から後期に変更するなど計画が立たない状況であった。 コロナ禍による医療ひっ迫により、医療が必要な人に届いていない現状の中、研究協力者とのアポイントも難しくなり、日程調整も難しい現実があった。
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今後の研究の推進方策 |
今後,ワクチン接種の進行に合わせ研究協力者に対してインタビューを計画的に行う。在宅での療養を続けやがて死を迎える療養者と、家族の介護の日々と訪問看護師とのかかわりの日々を継続的に参加観察し、セカンドステージにある訪問看護師の在宅看取りの働きの背景や経験に接近し、在宅で療養したいという気持ちを支える訪問看護のコミュニケーションの特徴や豊かさ、課題を明らかにしていくために、データ収集やデー分析を計画的に進めていく。 2021年10月を目途に5名のインタビューを行いデータ分析を行う。 結果の学会発表に向け論文をまとめ抄録を作成する。 補助事業期間は2019年~2021年であるが1年期間延長を申請し完成に向け取り組みたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍による緊急事態宣言の度重なる発出に伴い、オンライン授業、演習計画の見直し、実習計画の見直しなどにより業務量が急増し、毎日計画的に研究時間が取れない状況となった。また、三密回避や感染予防の観点から研究協力者との日程調整が難しい状況となった。インタビューが遅れたことにより、交通費、データ入力、データ分析、事務経費、研修費用、学会発表、交通費などの予算を使用できなかった。 今後ワクチン接種による感染状況の推移を見ながら10月ごろを目途に計画的にインタビューの実施、データ分析を行い成果を学会で発表する。3月までに抄録を作成し2022年度学会発表を行う。補助事業期間は2019年~2021年であるが、研究期間を一年延長し取り組む。
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