本研究は,褥瘡の肉芽組織の病理組織所見,肉眼的所見と触診の所見,超音波診断検査(以下エコー)の所見を統合し,エコーによる肉芽組織の客観的評価方法 を確立し,自動判別システムを構築することを目指している. 今年度は、深い褥瘡における肉芽組織(良性と不良)の状態を自動で判別を検証することとした.しかし,深い褥瘡の画像データが少なく、自動の検証までは達成できなかった. 昨年度から引き続き,既存の褥瘡エコー画像から肉芽の状態を機械学習を用いて特徴量を抽出し,判別の有無を確認した.静止画では課題があったため,エコーを動画にて描出した画像を分析に用いた.広い範囲で褥瘡部の観察をすることで,より健常な皮膚の部位と褥瘡部の境界が明確になるため,特徴を抽出しやすく,周囲皮膚と肉芽の組織との輝度の違いから特徴量を算出し,不良肉芽と良性肉芽の判別可能性を見い出した。
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