研究課題/領域番号 |
19K10829
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研究機関 | 福岡県立大学 |
研究代表者 |
永嶋 由理子 福岡県立大学, 看護学部, 教授 (10259674)
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研究分担者 |
於久 比呂美 福岡県立大学, 看護学部, 講師 (10512022)
藤野 靖博 福岡県立大学, 看護学部, 講師 (20405559)
江崎 千尋 福岡県立大学, 看護学部, 助教 (40782975)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 看護技術 / 熟達 / 視線 / 血圧測定 |
研究実績の概要 |
看護実践能力の強化が求められて久しいが、実践能力向上に向けた取り組みへの課題は 山積みであり、有効な方略や成果が出せない現状にもある。しかし複雑化・多様化する医療において、看護師に求められるのは看護の質である。最先端医療から在宅医療に至るまで、多様なニーズをもつ患者に柔軟に対応し、適切な看護ケアを導き提供できるためには、高度な看護実践能力を身につけることが必要不可欠である。複雑多様化する健康問題への最適な看護ケア提供を実現させるためには、認知心理学の領域で特に「適応的熟達」といわれるレベルの看護技術の習得が重要となる。このレベルは、実践を通して構成された概念的枠組によって、問題状況の変化に柔軟に対応し適切なスキルの実行を導くことができることであると定義している。看護の質を高めるためには、この「適応的熟達」レベルまでの看護技術力を獲得していくことが求められるわけである。しかし、一足飛びに熟達レベルに達するわけではなく、初心者(本研究では看護学生とする)及び新卒者が熟達していくまでのプロセスが必要で、特に時間的な問題が課題となる。しかし、熟達を促進させることが可能となれば、より多くの看護師の質は高まり患者への還元も大きなものとなる。そこで本研究は熟達に至る過程に着目し、その過程で起こる視線の変化(視線の変化を無駄な視線の減少と捉え、以降「視線の合理性」と定義する)に随伴して起こる熟達の主観的自覚を熟達者と初学者を心理学的及び科学的な視点から比較検証し、その影響要因を検討するを目的とした。2019年6月から、これまで続けてきた関連実験の蓄積データを再度分析し直し、今回の実験計画及び実験プロトコールを練り直した。2023年8月10日に初学者2名及び熟達者1名のに対し、眼球運動測定装置(TalkEye Lite(両眼タイプ))を用いて、技術が上達したと自覚するまで実験を繰り返した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2023年8月に3名の実験を実施することができたが、その後研究者自身が病気入院、その後自宅にて療養を行い、2024年4月に職場復帰となった。しかし、8月末までは時短勤務になっていることから、今年度は無理のない範囲で対象を1名追加し分析に入ることができればと考えている。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度は最終年度となるため、2023年度に実施した分析を進めるとともに、体調にもよるが、できれば熟達者1名の実験を実施したいと考えている。機器の詳細な分析結果については、眼球運動測定装置(TalkEye Lite(両眼タイプ))購入先の竹井機器の担当者に助言を受ける予定である。平衡して、国内・国外の文献クリティークを行い、論文の準備を進めていく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍において、実験の特殊性から研究に協力いただける対象者が見つからなかったことで、2022年度購入する予定であったた眼球運動測定システムを見合わせた。2023年度にはコロナが落ち着いたことで、研究協力していただける対象者がいたため、測定システムを購入することとなった。このことにより、当初計画していた使用金額が年度遅れとなってしまったため。
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