研究課題/領域番号 |
19K11004
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
上野 陽子 広島大学, 医系科学研究科(保), 助教 (00637192)
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研究分担者 |
村上 真理 広島大学, 医系科学研究科(保), 助教 (10363053)
大平 光子 広島大学, 医系科学研究科(保), 教授 (90249607)
藤本 紗央里 広島大学, 医系科学研究科(保), 講師 (90372698)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 包括的性教育 / 高等学校 / 養護教諭 / 連携 / 健康課題 |
研究実績の概要 |
今年度は、当初、予定していた2つの研究に着手した。 性教育の提供においては、若者が自らの健康を守る能力を高める活動は重要であり、実践の場に学校教育機関が推奨されている。学校現場では、外部支援者との連携体制を整備し、学校機能を強化し教育活動の充実を推進している。そのため、1つ目の研究目的は、高等学校の性教育の実態および包括的性教育に向けた学校体制や外部支援者との連携の現状と課題を調査し、学校教育機関や教員に必要な体制や支援を検討することとした。対象は全国の高等学校で性教育の主担当教員とし、無記名式の自記式質問紙で実施した。現在、データ入力および分析を進めている。本研究によって性教育の実態や性教育における学校体制や外部支援者との連携の現状と課題が明らかになることによって学校教育機関における必要な体制や支援の基礎資料に貢献できる。
文部科学省はチームとしての学校の在り方において子どもを取り巻く状況の変化や課題に向き合うため,教職員に加え,多様な専門職者が学校運営に参画し、学校の教育力・組織力をより効果的に高めていくことが必要不可欠だと提言している。よって、子どもたちの健康課題に対する包括的な支援には多職種の連携・協働が不可欠である。高等学校在学中に妊娠をした生徒への対応も課題の1つである。また、「若年妊婦」の側面をもつため、母子保健における児童虐待予防の観点から支援は重要である。よって、2つ目の研究は、妊娠に関する健康課題を抱えた高校生に対して養護教諭が連携しながら支援するプロセスより学校保健をめぐる学内外の連携の在り方について考察することを目的とした。現在、面接調査を継続的に実施している。これらの研究により、学校保健活動機能の促進・強化および、妊娠に関する健康課題を抱えた生徒に対する家庭・学外関係機関との連携体制の整備に向けた基礎資料に貢献できる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
高等学校で高校生を対象とした包括的性教育の実践は、コロナ禍において許可していただいた高等学校(対面ではなくオンラインでの実施となった)での実施となった。 しかし、どのように状況が変化していくか予測し難く、コロナ禍での学校における対応に多忙であると思われる教員・養護教諭を対象に全国調査・面接調査の研究を進めていくことが難しい状況下であった。そのため、当初より実施する時期が後倒しとなった。
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今後の研究の推進方策 |
2022年度は、研究1の調査結果について学会などで発表できるよう進めていく。また、研究2の面接調査は、今後も継続的に面接調査を進めつつ、分析・成果発表につなげることができるように進めていく予定である。さらに、高等学校における高校生を対象とした包括的性教育の実践はコロナ禍において対面で実施が困難であるため、オンラインでの実施の検討やほかの方法を検討しながらすすめていきたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
高等学校を対象とした包括的性教育に関する全国調査のアンケートや、高等学校の養護教諭に対する面接調査などをコロナ禍の状況を踏まえながら実施時期を検討していたため、当初より後倒しになった。そのため、当初、計画していた2つの研究が後倒しになることより、次年度に使用額が生じる理由となった。 また、研究の成果発表に関連する旅費なども研究結果まで到達できていないことより、次年度に使用額が生じた理由となっている。 今後の使用計画として、研究①(全国調査調査)では、データ入力など研究補助業務の人件費、印刷用紙などの物品費、学会参加・旅費、論文投稿にかかる費用などを予定している。研究②(面接調査)では、分析データ入力集計のためのソフトの物品費や、論文投稿の英文翻訳料などを予定している。また、包括的性教育実践や研究結果を反映した冊子作成の印刷など必要経費に使用する予定である。
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