研究課題/領域番号 |
19K11004
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
上野 陽子 広島大学, 医系科学研究科(保), 助教 (00637192)
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研究分担者 |
村上 真理 広島大学, 医系科学研究科(保), 助教 (10363053)
大平 光子 広島大学, 医系科学研究科(保), 教授 (90249607) [辞退]
藤本 紗央里 広島大学, 医系科学研究科(保), 講師 (90372698)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 包括的性教育 / 高等学校 / 養護教諭 / 連携 / 健康課題 |
研究実績の概要 |
2022年度は、当初、研究計画をしていた2つの研究の研究成果の発表および分析・論文執筆を進めた。 1つ目の研究は、高等学校における性教育の実態に関する研究である。目的として、高等学校の性教育の実態および包括的性教育の学校体制や外部支援者の実態について質問紙調査を実施した。調査対象としたのは1,100校の高等学校であった。内容としては、対象校および回答者の基本的属性、包括的性教育の実施状況、学校と専門職間での連携および包括的性教育への認識などを4段階のリッカート尺度で評価した。175件の回答(回答率15.7%)があり、今年度はそれらの分析を進めた。国際的な包括的性教育のガイドラインはあるが、我が国で高等学校における包括的性教育に関する学校制度と専門職間の連携・認識などに関する調査において未だ多いとは言えない状況である。その点において、学校教育機関と専門職者の連携・協働の在り方を明らかにすることは、今後、教育機関における包括的性教育プログラム開発の基礎資料となりうる。2022年度は、その研究成果を2023年3月の国際学会で発表することができた。今後は、その学会発表をとおして得た示唆を含めて検討し、さらに論文執筆を進めていく予定である。 2つ目の研究は、妊娠に関する健康課題に対する養護教諭の初動行動のプロセスの実態調査である。現在、面接調査を終え、逐語録を作成して、研究データ内容の分析を進めているが、データ内容が理論的飽和に達しているか否かを検討しながら、分析を進めていく予定である。 以上より、2023年度は、これらの2つの研究成果をまとめ、学会発表・論文執筆を進めていく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ禍で高等学校において性教育を連携・協働する実践はオンラインなどで実施できたが、そのような中、校務の追われる高等学校教員・養護教諭への調査を実施するのはタイミングをみながら実施していたため、計画的に実施することが困難な状況下であった。また、勤務先が教員不足など環境要因もあり、講義・実習の担当が増え、研究を進めていく時間を十分にとることが困難であった。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度は、研究1の調査結果について論文執筆し学会誌に投稿する予定である。また、研究2の面接調査は、分析を進め、学会発表を行ったあと論文執筆・投稿できるように進めていく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度はさらに職場の人員不足の環境下となり、研究実施予定としていた後期にも講義・実習が当初の担当以外で増え、研究へのエフォートが削減された。また、当初、旅費で予定していた国際学会発表なども新型コロナ感染症拡大で開催されない、または現地に行けないなどで大幅に当初の予算計画と異なることとなったことが次年度使用額が生じた理由である。 今後の使用計画としては、学会などはオンラインで実施されることが多くなったため、旅費が大幅に削減されることを見込んでいる。状況をみながらであるが、論文執筆をすすめ、いずれも国際学会発表および英語論文の成果発表を実施する計画とする。
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