研究課題/領域番号 |
19K11010
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研究機関 | 三重県立看護大学 |
研究代表者 |
岩田 朋美 三重県立看護大学, 看護学部, 講師 (20609292)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | ハイリスク妊婦 / 妊娠合併症 / 長期入院 / 目標設定 / 助産師教育プログラム |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、長期入院が予想されるハイリスク妊婦への目標設定の支援と目標の共有における現状と課題を明らかにし、それをもとに長期入院が予想されるハイリスク妊婦に対する目標設定への支援の質向上、および妊婦との目標の継続的な共有につながる助産師を対象とした教育プログラムを作成し、その実施可能性と有効性について検討することである。 令和元年度は、長期入院が予想されるハイリスク妊婦への目標設定の支援における現状と課題を把握することを目的とした質問紙調査の基礎資料を得るために、研究に取り組んだ。本研究の先行研究として、平成27~30年度若手研究(B)[課題番号:15K20740]の助成を受けて、質的研究を行った。この先行研究では、平成31年1月から助産師13名を対象に半構造的面接を行い、妊娠中期に入院した長期入院が予想される妊婦に対する目標設定への支援に関する助産師の認識を明らかにすることを試みた。帰納的内容分析の結果、妊娠中期に入院した長期入院が予想されるハイリスク妊婦への目標設定の支援および目標の共有に対する助産師の認識、支援および共有の実際、支援や共有における困難や課題を明らかにすることができた。そのため、この研究成果を上述の質問紙調査の基礎資料として活用することとした。なお、この先行研究の成果を本研究のエビデンスとして活用するため、看護系学術誌への論文投稿に向けて取り組んでいる。 また、質問紙調査の基礎資料とするべく、「ハイリスク妊婦の管理およびケアにおける現状と課題」「入院がハイリスク妊婦におよぼす身体的・心理社会的影響」について文献検討を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究者の先行研究の成果を、長期入院が予想されるハイリスク妊婦への目標設定の支援における現状と課題を把握することを目的とする質問紙調査の基礎資料として、活用することとした。これにより、本研究の進捗状況は、「おおむね順調に進展している」と評価した。
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今後の研究の推進方策 |
研究者の先行研究の成果と文献検討の結果をもとに、長期入院が予想されるハイリスク妊婦への目標設定の支援および目標の共有における現状と課題を明らかにすること目的として、周産期母子医療センターの産科病棟に勤務する助産師を対象に、郵送による質問紙調査を実施する。質問紙調査を実施するにあたり、新型コロナウイルス感染症の拡大状況をふまえて、研究協力施設への依頼方法・時期を検討する。 得られた研究成果および文献検討をもとに、助産師を対象とした長期入院が予想されるハイリスク妊婦に対する目標設定への支援の質向上につながる教育プログラムの作成に着手する。
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次年度使用額が生じた理由 |
【次年度使用額が生じた理由】助産師を対象とするインタビュー調査に係る経費を計上していたが、研究者の先行研究の成果を活用することとしたため、この経費(国内旅費、謝金、筆耕翻訳料等)を使用しなかったことから、次年度使用額が生じた。 【使用計画】令和2年度に実施予定の質問紙調査に係る費用に使用する。また、収集したデータの保存や整理のために消耗品(ファイル類、USBメモリ等)を購入する。本研究に関連する母性看護学、助産学、産科学、心理学等に関する書籍のうち、所属施設の附属図書館に所蔵されていない書籍や、本研究に取り組むにあたり特に重要な書籍を購入する。 教育プログラム開発にあたり、専門家による専門的知識の提供に係る費用に使用する。
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