研究課題/領域番号 |
19K11036
|
研究機関 | 埼玉県立大学 |
研究代表者 |
櫻井 育穂 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 准教授 (30708516)
|
研究分担者 |
丸 光恵 甲南女子大学, 看護リハビリテーション学部, 教授 (50241980)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
キーワード | 移行期支援 / 思春期・成人期 / 小児慢性疾患 / 教育プログラム / 小児看護 |
研究実績の概要 |
10代の小児慢性疾患患者と家族の移行における心理社会的ニーズと、それに対する医療者の支援を明らかにし、患者家族中心の移行期支援における医療者向けの教育プログラムを開発・実施・評価する研究を行っている。2019年度は、10代の小児慢性疾患患者と家族の移行における心理社会的ニーズと、それに対する医療者の支援を整理するため、フィールド調査及び国内外の文献検討を実施した。文献検討の概要としては、移行プログラムは健康を維持するためのプロセスを支援しており、移行の成功を構成する指標は一貫したものは見られなかった。論文は身体疾患と精神疾患に分類されており、身体疾患では循環器疾患が最も多かった。また、移行プログラムの介入研究の効果やアウトカム指標に関する論文が以前より増していた。内容としては、移行における心理社会的構造には、個人的要因、家族や社会的サポートの要因、ヘルスケアシステムの要因、進学就職の要因があり、その中に①知識・技術、②信念・目標、③動機づけ、④家族・友人他との関係性、⑤心理社会的機能が位置づけられていた。その構造において、依存と自立(意思決定等を含む)、ヘルスケアサービスが個々の状況に応じて移行していることがわかった。さらに、医療者の心理社会的問題に対する支援はその構造に沿って行われているものの、小児医療分野では、心理社会的機能に含まれる性と生殖や進学就学、信念・目標に含まれる患者にとっての病気の意味づけに対する支援は少ないことがわかった。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナウイルス感染症に伴う自粛要請のため、移行医療及び移行期支援に関する全国調査の実施が遅れている。
|
今後の研究の推進方策 |
2020年度は、移行医療および移行期支援に関する全国調査を実施し、10年前調査と比較し医療者の支援の変化を明らかにする。また、量的調査をもとにインタビューを実施し、患者家族の心理社会的ニーズへの医療者の支援内容を明らかにする。2021年度は、10代の小児慢性疾患患者と家族にインタビューを実施し、患者家族の心理社会的ニーズを明らかにする。
|
次年度使用額が生じた理由 |
全国調査の実施が中断されたことで、調査票の印刷発送等が遅れているため。今年度は全国調査を実施準備および分析のための経費として使用する。また、遠隔でのインタビュー調査や会議の実施のため、PCマイク・カメラを購入する。さらに、関連学会へ参加するための経費とする。
|