研究課題/領域番号 |
19K11093
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研究機関 | 宮崎県立看護大学 |
研究代表者 |
田中 美智子 宮崎県立看護大学, 看護学部, 教授 (30249700)
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研究分担者 |
津田 智子 宮崎県立看護大学, 看護学部, 准教授 (30305172)
長坂 猛 宮崎県立看護大学, 看護学部, 准教授 (30332977)
野末 明希 宮崎大学, 医学部, 助教 (30569794)
有松 操 鹿児島純心女子大学, 看護栄養学部, 講師 (50289659)
江上 千代美 福岡県立大学, 看護学部, 教授 (50541778)
松山 美幸 福岡県立大学, 看護学部, 助教 (90468306)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 更年期女性 / 睡眠 / ストレス / 日中のパフォーマンス / 自律神経反応 |
研究実績の概要 |
更年期女性の日常生活の質向上をめざして、まず、生活上でのストレスが睡眠にどのような影響を与えているのか、また、睡眠状態が翌日のパフォーマンスにどの程度、影響するのかについて明らかにするために、ストレス尺度の選択、翌日のパフォーマンスを捉える指標ついて検討した。これらの検討の結果、ストレス尺度はストレス反応評価(SRS-18test)を、翌日のパフォーマンスに関してはスタンフォード眠気尺度を使用することとした。また、これまで行ってきた更年期女性の睡眠に関して、眠りSCANと睡眠日誌を用いて睡眠の実態を詳細に検討し、睡眠とQOLもしくは更年期症状などとの関係についても検討を行っている。 更年期症状と視覚的評価スケール(Visual Analog Scale :VAS)による睡眠の質との関係は相関係数r=-0.733 (p<.05)、OSA睡眠感調査票の因子V(睡眠時間)との関係は相関係数r=-0.624 (p=0.054)であった。更年期症状があることで睡眠の主観的な評価に影響を与えていることが認められた。さらに、勤務日と休日の睡眠状態を比較し、勤務日の在床時間及び睡眠時間は休日より有意に短かったが、入眠潜時及び主観的睡眠評価(VASによる睡眠評価およびOSA睡眠感調査票)には両条件で差は認められなかった。睡眠前後のメラトニン濃度差に関しては、勤務日と休日で有意な差が認められ、休日における睡眠前後のメラトニン差は勤務日のメラトニン差に比べ、有意に大きかった。09就床時刻及び起床時刻から見ると、休日は就床時刻が勤務日より早く、起床時刻が遅くなっている実態が示された。勤務日と休日における就寝や起床時刻などがメラトニン分泌においても影響していることが考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
1年目ということで、ストレス尺度の選定、翌日のパフォーマンスを測定する指標に関して、何を使用するかについて検討し、それをもとに所属の倫理委員会への書類作成などに時間が必要であった。また、年度末に新型コロナウイルス感染症の影響もあり、測定などをする場合の感染予防における注意事項及び、対応も必要となっているため、それらを踏まえた準備を整えることなども出てきており、遅れが生じている部分がある。
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今後の研究の推進方策 |
今年度も新型コロナウイルス感染症による講義変更やそれに伴う業務なども生じ、難しい部分もあるが、現段階で行える調査、感染に配慮した内容をまず行うことで、研究を進める予定である。そのため、研究倫理の申請においても感染に問題ない部分を第1段階の調査とし、第2段階で感染防止に配慮しながら測定機器を使用した測定を行う予定とし、倫理委員会への申請も済ませ、承認を待っている状況である。今後、第1段階の研究は進められると考えている。また、同時に第2段階をすすめるにあたっての感染予防対策などを策定し、調査を進める予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究を進める上での尺度の選択、倫理委員会の申請などに時間を要した。また、1月以降、コロナウイルス感染症拡大防止のため、出張及び打ち合わせなどができなかったことが理由である。計画を進めていく上で、尺度などの必要物品を購入し、データ収集を行う予定である。
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