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2020 年度 実施状況報告書

多職種協働による認知症高齢者へのHAD予防ケアプロトコルの効果検証

研究課題

研究課題/領域番号 19K11128
研究機関佛教大学

研究代表者

阿部 慈美  佛教大学, 保健医療技術学部, 助教 (10823297)

研究分担者 松岡 千代  甲南女子大学, 看護リハビリテーション学部, 教授 (80321256)
濱吉 美穂  佛教大学, 保健医療技術学部, 准教授 (80514520)
研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2023-03-31
キーワードHAD(入院関連機能障害) / 認知症 / 多職種連携 / 急性期病院
研究実績の概要

本研究は急性期病院で多職種で取り組む認知症高齢者のHAD予防プロトコルを作成し、その効果を検証するものである。2020年度プロトコル作成にあたりHAD予防の現状と課題を明らかにするため急性期病院の認知症ケアチームを対象に質問紙を実施した。調査期間は2020年10~11月で、全国の全日本病院協会と日本病院会に所属する病院の中から、無作為に選出した1070病院へ質問紙を郵送し、360通の回答があった。そのうち調査対象である多職種による認知症ケアチームのある急性期病院は105病院であった。
病院概要について、病床規模は100床未満が9病院、100~199床が18病院、200~499床が54病院、500~999床が22病院、1000床が2病院であった。関連加算について、加算取得がない病院はなく、総合ケア加算は39病院、認知症ケア加算1は73病院、認知症ケア加算は219病院、認知症ケア加算3は8病院が取得していた。
認知症ケアチームの概要として、活動年数は1年未満が9病院、1~3年が49病院、4~5年41病院、6年以上が4病院であった。2016年に認知症ケア加算が新設され、それに伴って急性期病院に認知症ケアチームが急速に増えたと考えられる。認知症ケアチームのメンバー構成としては、医師、老人専門看護師や認知症看護認定看護師などのスペシャリスト、薬剤師、OT、社会福祉士をメンバーとしている病院が多く、他にPT、臨床心理士、医事課職員、看護部長や医療安全管理者などもチームに参加していた。HAD予防で重要な管理栄養士がいるのは35病院で、情報共有システムを構築のために電子カルテ担当者がいる病院が1施設あった。9割の病院がチーム運営に課題があると回答し、HAD予防に重要なリハビリテーションや食事介助への介入を妨げる要因として、主にBPSDやせん妄、生活リズムの崩れが影響していた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

急性期病院で実践可能な認知症高齢者のHAD予防プロトコルを作成するため、多職種連携や認知症高齢者特有の課題を明らかにするため実態調査が必要と考えた。そこで、2020年は質問紙とフォーカスグループインタビューによる混合研究法による実態調査を予定していた。
しかし、2020年はじめから現在も続いているCOVID-19感染拡大の影響により、調査対象である急性期病院は、日常の診療体制が維持できない状況が続いている。質問紙の回収率低下を懸念し、COVID-19の新規感染者数や重症者数の動向を見極め、質問紙調査は2020年10~11月で実施した。回収率は十分ではなかったが、プロトコル作成の予備調査であること、COVID-19感染の第3波もあったため、追加での調査は行わず集計作業に移った。現在分析中である。
インタビュー調査は、感染リスク軽減のためグループによるインタビューの実施が難しい状況であった。感染状況の動向を見極めていたが、収束する時期が不透明であることからオンラインでのグループインタビューに切り替えての実施を考えているが、COVID-19感染の第3波、第4波と急性期病院の逼迫状況が続いている。今後、協力病院と相談しながら実施可能な時期を検討していきたい。

今後の研究の推進方策

①急性期病院の認知症高齢者のHAD予防の現状と課題に関する調査
今後、2020年度に実施した質問紙調査の結果を分析するともに、グループフォーカスインタビューをオンラインで実施する。既に当初の研究計画から遅れており、フォーカスグループでのインタビューが難しい場合には、個別のインタビュー調査も検討していく。インタビュー実施に当たっては、協力病院と相談しながら、負担にならないように時期や方法を調整し実施する。また調査結果については、学会および論文にまとめ広く公表していく。
②多職種協働で取り組む認知症高齢者のHAD予防プロトコル作成と効果検証
プロトコルの作成にあたっては、①の研究結果を共同研究者および認知症看護認定看護師などのスペシャリストとともに分析し、急性期病院で実践可能なプロトコルを作成していく。プロトコルの効果検証は、2021年度中に協力病院を選定し、2022年度には介入研究を実施できるように協力病院管理者と調整を進める。未だCOVID-19感染拡大収束の目途は立たないため、実施の時期・方法は随時検討する。

次年度使用額が生じた理由

研究計画がCOVID-19感染拡大の影響で大幅に遅れているため、予定していたインタビュー調査ができていないこと、参加予定していた学会参加ができていないため次年度使用額が生じた。今年度は昨年予定していたインタビュー調査を実施にあたり使用予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2020

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] 入院関連機能障害(HAD)を防ぐ支援のポイント 退院後に元の生活を取り戻すために2020

    • 著者名/発表者名
      濱吉美穂 阿部慈美
    • 雑誌名

      ケアマネジャー

      巻: 22 ページ: 4-23

URL: 

公開日: 2021-12-27  

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