研究課題/領域番号 |
19K11150
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研究機関 | 北海道科学大学 |
研究代表者 |
林 裕子 北海道科学大学, 保健医療学部, 教授 (40336409)
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研究分担者 |
日高 紀久江 筑波大学, 医学医療系, 教授 (00361353)
大内 潤子 北海道科学大学, 保健医療学部, 准教授 (00571085)
福良 薫 北海道科学大学, 保健医療学部, 教授 (30299713)
宮田 久美子 北海道科学大学, 保健医療学部, 教授 (60736099)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 廃用症候群高齢者 / 生活行動 / 用手微振動 |
研究実績の概要 |
本研究は、長期臥床や低運動により関節拘縮をきたした高齢者に対し関節拘縮の軽減を目指し、部分的であっても自らADLが可能になるための看護方法について、実践事例を集約し学際的に検討し,廃用症候群高齢者への看護モデルを構築することを目的としている。2020年度は、2つの協力施設遠隔と遠隔によるカンファレンスを実施し、2件の論文投稿と1件の口頭発表を行った。投稿論文1件目は、1事例については、2年間の期間において廃用症候群となり寝たきり状態であった90歳男性A氏に対し体調を管理しつつ、関節拘縮や筋力低下を改善するために微振動を実施と座位保持の時間を設けるなどして6か月間の期間を要していたが、車椅子に乗車しても体幹が保持され介助にて食事が可能になり、喜怒哀楽が確認できた。この事例から、時間を要するが超高齢者であっても、体調に合わせた介入により、ADLの獲得につながることが分かった。2件目では、医療診療録の2次利用の許可を得て、過去の事例分析を実施した。廃用症候群のある呼吸器装着患者に対し、1日1回に口腔ケア、呼吸理学法、用手微振動等の介入を実施した事例15名について、看護介入の効果を検証した。口頭発表は、高齢がん患者の投薬による便秘症に対し、腹部・腰部・臀部に対し用手微振動を実施したところグリセリン浣腸の実施が不要になったことと緩下剤量の減少が確認できた。これらの発表から長期臥床によって低運動による関節拘縮と筋力低下は、心肺機能に負荷がかからない微振動により、時間を要しながらも活動しやすい身体となり、ADLの再獲得につながることが確認できた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究は、現在のところ協力病院が4件となった。COVID-19 の感染の治療後による廃用症候群患者への介入を希望される施設もある。しかし、COVID-19の感染を予防することが優先されるため、協力施設に出向きカンファレンスや医療データの2次利用も困難である。この感染予防の対策の一環として遠隔による通信手段によりコミュケーションが可能となり、遠隔によるカンファレンスを実施している。
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今後の研究の推進方策 |
今後においては、この遠隔による通信手段を用いて、協力病院における過去の事例の分析を進めることとした。また、新たに協力を依頼してきた施設に対しては、長期臥床や低運動により関節拘縮をきたした高齢者に対し,関節拘縮の軽減を目指し,部分的であっても自らADLが可能になるための看護方法について研修を実施し、介入効果を検証する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
COVID-19の感染予防のため、協力施設への訪問ができなかったため使用額が少なかった。2021年度は最終年度であるため、各協力施設への訪問が困難であるが、通信環境と整備や介入に必要な消耗品など整備と、論文作成等に充当予定である。
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