研究課題/領域番号 |
19K11166
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
三好 陽子 鳥取大学, 医学部, 准教授 (80746967)
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研究分担者 |
山本 美輪 香川大学, 医学部, 教授 (70353034)
吉岡 伸一 鳥取大学, 医学部, 教授 (00191544)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 安全運転相談員 / 高齢者 / 自動車運転 / 運転免許返納 / 意思決定支援 / 混合研究法 |
研究実績の概要 |
警察庁の報告によると、75歳以上の高齢運転者の死亡事故件数が全体に占める割合は増加している。わが国の高齢者自動車運転問題への介入経験はまだ浅く、免許返納あるいは更新の意思決定を観点とした基礎資料の整備が十分とはいえない。運転免許に関する高齢者の意思決定を支援することは、高齢者の自尊心を大切にすることにつながるだけでなく、高齢運転者の死亡事故件数の削減に寄与することが期待される。本研究の目的は、わが国の安全運転相談員(以下、相談員)を対象に、アンケートあるいはインタビューにより高齢者およびその家族から受ける運転免許更新あるいは返納選択に関する相談・指導など活動の現況や課題を調査し、相談員が、高齢運転者の運転免許更新あるいは返納選択について意思決定を支援するプロセスの構造を明らかにすることである。研究デザインは、量的記述的研究、探索的記述的質的研究の混合研究法(mixed methods)であり、フェーズ1、フェーズ2からなり、【フェーズ1】アンケート調査、【フェーズ2】インタビュー調査となる。 今年度の成果は、下記の通り実施計画に沿って実施した。4月全国47都道府県の安全運転相談窓口へ所轄の運転免許課長から調査票を配布していただくよう依頼し総数290部発送した。【フェーズ1】順次調査票を回収、8月末、回収を締め切り終了した。調査票の発送と同時に【フェーズ2】協力者のリクルートを実施し、8月【フェーズ2】参加同意書を回収し、参加協力者の登録を行った。9月-3月【フェーズ1】調査票データ入力、調査票の量的及び質的データの統計学的解析に着手した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究のロードマップに示した実施計画に沿ってほぼ進行したが、【フェーズ1】調査票のデータ入力にとどまり、統計学的解析にまでは至っていない。次年度実施予定である。 【フェーズ2】インタビューについて、新型コロナ感染拡大防止のための行動制限により訪問できない協力者が生じた。書面上では、新型コロナ感染拡大防止のため対面できない場合のインタビューの方法について検討しておらず、再度該当者と連絡を取り、インタビュー方法について検討する必要が生じた。
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今後の研究の推進方策 |
ロードマップの計画通り遂行する。 4月-6月【フェーズ1】調査票データの統計学的解析と考察 6月-9月【フェーズ2】協力者とインタビュー方法について再度検討し準備を開始。 9月-3月【フェーズ2】インタビュー終了
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次年度使用額が生じた理由 |
調査票の回収率の予想が立たないため、返送に係る郵送費について料金後納に設定した。回収率100%を見込んで試算していたが、調査票の回収率は約50%であり、予算より格安となった。さらに、新型コロナ感染拡大防止のため、他県との往来や海外渡航ができず、国内学会2回、国際学会2回がweb開催に変更となっため、旅費交通費、学会参加費等の支出が減少した。
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