研究課題/領域番号 |
19K11200
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研究機関 | 岩手保健医療大学 |
研究代表者 |
青柳 美樹 岩手保健医療大学, 看護学部, 講師 (60334976)
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研究分担者 |
高山 裕子 東京医療保健大学, 医療保健学部, 准教授 (00637803)
多賀 昌江 北海道文教大学, 人間科学部, 准教授 (20433138)
立石 麻梨子 久留米大学, 医学部, 講師 (40750154)
石田 知世 岩手保健医療大学, 看護学部, 助手 (50852745)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 渡航看護 / コンピテンシー / モデル / 開発 |
研究実績の概要 |
国内文献から海外渡航者に対する看護活動を表現した文章を抽出し、コード化を行い、さらに要約を行い、コンピテンシーとして生成した。それらをコンピテンシー・ディクショナリーをもとに分類し、更に共通するコアコンピテンシーを生成した。 その結果、コアコンピテンシーとして位置づけた【渡航看護への個人の態度や価値観に関するコンピテンテンシー】では、<対処する能力がないことや知識またはスキルの不足を認識し、渡航医学に関する知識を学習する機会を得ている。><自分たちの仕事をどうしていきたいのか考え、模索している。>などが抽出された。【渡航看護の知識や技術に関する共通コンピテンシー】では、コンピテンシーディクショナリーに基づく分類を行い、<複数のワクチンを施主する場合のパターン別モデルスケジュールを準備している。><読渡航者に適した情報の提供を行っている。><学会やセミナーでネットワークを形成している。>など、32コンピテンシーを共通コンピテンシーとして抽出した。 また、学校保健、産業保健で活動している看護職2名にインタビューを行い、コンピテンシーを抽出している。学校保健の看護職からは、「学生の理解の状況を確認し、補足説明を行っている。」「医師や留学センターと定期的な情報交換を行っている。」「メンタルヘルスを抱える学生と保護者に対し、意思決定できるような支援を行っている。」「学生のピアサポート体制を作っている。」「留学センターや医師が留学生の状況を把握材料となる統計資料を作成している。」「引率教員に対するガイダンスを行っている。」などが抽出されている。産業看護職からも「派遣国の情報を得ている。」「組織で対応できるしくみを作っている。」などが抽出されている。現在、インタビュー内容の分析を進めている。 文献とインタビューから、看護活動の視点が明確になることが期待される。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
新型コロナウィルス感染症の影響により、大学の実習や授業形態が変更になるとともに、学内業務が煩雑化していた。共同研究者も北海道、福岡、東京と感染症が拡大していた地域に所属し、保健所業務の応援など余儀なくされ、研究に力を割けず、オンラインでのミーティング日程の調整でさえ困難な状況にあった。また、インタービュー対象者である検疫や医療機関所属の看護職が多忙であるため、インタビュー参加の依頼を控えた。
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今後の研究の推進方策 |
インタビューを進め、コンピテンシーを抽出していく。今年度インタビューを終了を目標にする。ただ、医療機関、検疫をはじめとする部署に所属する看護職の労働状況を鑑みると、2021年10月以降のインタビューになる可能性が高く、年度内のインタビュー終了が危ぶまれる。 産業、学校の分野については年度前半でインタビューを実施し、コアおよび各領域特有のコンピテンシーを抽出していける可能性が高い。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウィルス感染症の影響により、医療施設、検疫、行政等の看護職が多忙なことから、インタビューの実施が困難であった。また、県をまたぐ移動の自粛により、ZOOMインタビューを実施したため、対象者および研究者の交通費が発生しなかった。さらに、学術集会もオンラインでの開催となり、旅費が発生しなかった。また計画の遅れにより、量的調査の準備が遅れているため、郵送費等が発生していない。 2022年度にインタビューを重ねていくことを計画している。県をまたぐ移動が解除されれば、対面およびZOOMインタビューを併用し、インタビューを行っていく。また、2022年度の量的調査に向けて、準備を行っていく。
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