研究課題/領域番号 |
19K11212
|
研究機関 | 聖マリア学院大学 |
研究代表者 |
秦野 環 聖マリア学院大学, 看護学部, 准教授 (00352352)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
キーワード | 難民 / 女性に対する暴力 |
研究実績の概要 |
「研究の目的」本研究の目的は、南スーダン共和国の国内紛争のために自国(南スーダン共和国)を逃れて隣国のウガンダ共和国に避難し、難民定住地において祖国への帰還をまつ女性難民たちが直面している暴力(SGBV,Sexual and Gender Based Violence)の実態を調査し、加えてUNHCRとそのパートナーなどが実施する予防・啓発活動内容を調査し、女性たち自らが実践可能な予防策を検討することである。
「研究実施計画」 UNHCR, UNOCHAなどから南スーダン共和国、ウガンダ共和国の情報を入手し、渡航しての調査を希望しているが、2020年1月末ごろから全世界をパンデミックとなって襲っている新型コロナウィルス感染症(CPVID-19)により、渡航自粛・制限のために、渡航しての研究計画の実施には至っていない。COVID-19の状況改善による渡航制限の緩和を待つとともに、研究者自身の予防接種を行っておくことで、制限解除後に、速やかに渡航調査ができるように多方面からの情報収集を行うとともに、準備を行っている。 世界における紛争下のSGBVの現状を広めるため、平成24年度に受けた基盤研究C(平成24年~26年度、課題番号24593277)で実施した成果の一部をオープンジャーナル(IMPACT)での投稿準備を進めている(2021年5月末~6月に完成予定)。かつ日本国内の人々に対して難民の存在をひろめるため、聖マリア学院大学紀要(Vol.12,2021)に投稿した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
COVID-19のパンデミック状態を受け、渡航による調査ができないために、予定よりも大幅に遅れている。
|
今後の研究の推進方策 |
今年度も、世界のCOVID-19の状況を観察しながら渡航が解禁となった場合にはできるだけ早く渡航できるよう、準備を進めている。万一、今年度の渡航が不可能と判断された場合、加えて研究の進捗が大幅に遅れていることから、研究期間の延長を願い出て、研究期間中には必ず渡航しての現地調査の実施ができるように準備を行う。現地調査への強いこだわりは、実態を把握するということだけではなく、サバイバーはじめ、女性難民たちの語りを聞くことが彼女たちのエンパワメントにつながると考えるからである。
|
次年度使用額が生じた理由 |
本研究は、ウガンダ共和国に渡航して現地での調査を行うための渡航費を計上している。しかし、令和2年度(2020年)もCOVID-19パンデミック状況により、ウガンダへの渡航を行うことができず直接経費の多くを繰り越すこととなっている。本研究者はCOVID-19のワクチン接種を2021年5月中には終了予定であり、加えて、ウガンダ共和国は日本人の入国に対し制限は行っておらず(2021年5月19日現在)、入国に条件が課せられているだけであるため、現在のパンデミック状況、日本とウガンダ共和国の感染状況を注意深く観察し、可能な限り早めに渡航する。第1回目の渡航状況を査定し、令和3年度中に2度の渡航をし現地調査したいと考えている。よって、日本からウガンダへの渡航費用、現地調査費用に充当したいと考えている。
|