研究課題/領域番号 |
19K11263
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研究機関 | 豊橋創造大学 |
研究代表者 |
山根 友絵 豊橋創造大学, 保健医療学部, 准教授 (70734028)
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研究分担者 |
百瀬 由美子 愛知県立大学, 看護学部, 教授 (20262735)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 訪問看護 / 別居介護者 / 支援モデル |
研究実績の概要 |
本研究は、訪問看護における別居介護者への効果的な支援を示した「別居介護者支援モデル」を構築することを目的としている。2020年度は研究の第2段階として、第1段階のインタビュー調査で明らかにした別居介護者支援の要素をもとに作成した質問項目について、支援の重要性の認識と実施状況について調査を行い、統計的な分析により、別居介護者支援の構造モデルを作成した。支援の要素間の関連について、【介護意欲を下げない関わり】【別居介護者自身の対応力を高める助言】【高齢者と別居介護者の状況を踏まえた状態悪化時の対応】の重要性の認識に正の相関がみられ、【介護意欲を下げない関わり】の重要性の認識は【限られた接点での初期からの関係作り】の重要性の認識に影響していた。また、支援の重要性の認識と実施状況の比較では、すべての要素で重要性の認識に対して実施状況が有意に低く、特に【限られた接点での初期からの関係作り】は実施状況が低かった。さらに支援の実施状況に関連が見られたのは、「職場内での上司や同僚からのサポート」のみであった。訪問看護の時間の制約の中でも別居介護者支援の実施を高めるため、職場内で上司や同僚からのサポートが得られる体制づくりの必要性が示唆された。今回作成した別居介護者支援モデルをもとに、2021年度は研究の第3段階として、訪問看護師による別居介護者への支援が、別居介護者の介護負担軽減につながるのかを明らかにするため、別居介護者を対象とした質問紙調査を実施する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
訪問看護師への質問紙調査の回答を分析し、別居介護者支援の構造モデルを作成することができた。COVID-19の影響により回収率が十分ではなかったが、200名程度のデータが得られたため、追加での質問紙配布は行わず、分析を行った。
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今後の研究の推進方策 |
訪問看護ステーションへの質問紙調査は回収率が十分ではなかったため、今後の研究では、回収率を考慮し、質問紙の配布数を増やす必要がある。また、COVID-19の感染拡大状況を踏まえ、調査時期を検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
COVID-19の影響により、研究分担者との会議や学会発表等がオンラインとなり旅費の支出が少なかった。また、データ入力のための人件費を計上していたが、質問紙の回収率が低く、データ入力を研究者自身で行うことができたため、次年度使用額が発生した。COVID-19による影響は今後も続くと考えられるため、質問紙の回収率が低くなることを見越して、発送数を増やすことを計画しており、郵送費として使用を計画している。また、2020年度の研究成果を複数の学会で発表する予定であり、論文の投稿も予定しているため、学会発表のための参加費、旅費および論文投稿のための費用として使用する予定である。
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