研究課題/領域番号 |
19K11299
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研究機関 | 宮崎大学 |
研究代表者 |
帖佐 悦男 宮崎大学, 医学部, 教授 (00236837)
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研究分担者 |
舩元 太郎 宮崎大学, 医学部, 講師 (20404452)
山口 洋一朗 宮崎大学, 医学部, 助教 (70822005)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 予防医学 / 疫学 / 健康増進 / 検診 / 集団検診 |
研究実績の概要 |
65歳以上の人口が全体の1/5を占めるまでに成長した日本の高齢化社会にとって、健康寿命の延伸は喫緊の課題であり、要介護・要支援者数を増加させる原因の骨粗鬆症、変形性関節症・脊椎症や筋量減少等の運動器疾患および衰弱の発生増を早期に予測する客観的評価指標開発が急務である。そこで、本研究では大規模な運動器検診実施による縦断研究と、運動と栄養の介入研究を実施している。 2020年度では、地域住民を対象にした運動器検診を継続して行い、データ収集を行った。2020年度に収集したサンプル数は384人(男性136人、女性248人)平均年齢67.6±11.6であった。2020年度は、2019年終わりから始まったコロナウイルス感染症(以下、COVID-19)対策の影響を受け、運動器検診の実施自体に制限がかかり、例年どおりのサンプル数を収集することができなかったが、COVID-19前後の参加者年齢に有意な差はみらなかった。しかしながら、また2020年9月に日本整形外科学会から新しい判断基準「ロコモ度3」が発表されたため、これまでのデータを新しい判断基準に当てはめて中間解析を行った。 また、宮崎県内の60歳以上の男女で、基本チェックリストの運動器関係の5項目において3点以上に該当した市民を対象に、3か月間の介入研究を実施。3点以上に該当し、研究参加に同意を得た後、3群(食品+運動介入群:EF群、運動介入群:EX群、対照群:C群)に割り付けを行い、調査開始時(0か月)と3か月後に運動器検診を実施た結果、今回の研究で同意を得たのは245人。有効解析対象者は209人で、対照群73(男性=13, 女性=60)、運動介入群69(男性=10, F女性=59)、栄養+運動介入群67(男性=13, 女性=54)であった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2020年度はCOVID-19による国民の活動の制限(外出自粛等)によって一時は地域住民への検診も実施が難しい状況であったが、自治体との協議や実施方法の調整を重ね、サンプル数を増やすことができた。また、運動機能が低下した方を対象とした介入研究では、対象症例からデータを取り終えているため、データセットが完了し解析も順調に進んでいる。また学会発表や論文投稿の準備も整えている。 来年度も運動器検診による対象症例を増やすとともに、特定健診項目との関連についても検証する。
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今後の研究の推進方策 |
最終年度である2021年度では、特定健診項目の結果との関連を調べ運動器と運動器以外への影響の有無またはその程度を調査する。ただし、特定健康診査結果については、運動器検診を受けた全員のデータが収集できるわけではなく、限られた健診事業者からの提供となるため、今後は自治体とも交渉しながら、運動器検診の必要性を示すエビデンスとなるよう、本研究そ進めていく必要がある。 また介入研究は、引き続き論部投稿準備を進めるとともに、試験1年度アンケート結果の解析を進めることとする。
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次年度使用額が生じた理由 |
2020年度は、COVID-19対策により運動器検診の実施回数の減少や、1日に収集できるデータ数(サンプル数)の制限により、予算の使用機会が減ったため次年度使用額が生じた。ただし、2021年度は自治体との交渉の結果、検診日程を増加することが可能となり、2020年度分と合わせて研究目標達成に努める。
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