研究課題
基盤研究(C)
高気圧環境への習慣的な暴露が骨格筋に対して抗炎症性に作用し、白色脂肪組織における慢性炎症の改善することで、耐糖能異常やインスリン分泌機能障害を軽減した。一方、この作用は病期や肥満の誘導因子によって異なり、インスリン分泌不全へと進行した例や慢性炎症が軽度である例では有効性が低く、肥満2型糖尿病に対する高気圧処置の適応は、その病理に依存する可能性が示された。今後、臨床応用を進めるには、様々な病理、及び種々の臓器における有効性の検証が必要である。
リハビリテーション科学
過食による肥満2型糖尿病の初期における高気圧処置の有効性を確認したこと、及び糖尿病の進行期や高脂肪食誘導性肥満の初期においてその有効性が減弱していたことは、高気圧処置の臨床応用を進める上で社会的意義があると考える。また、その作用機序には糖尿病に至る病理の関与が予想されることより、各種臓器における作用機序の確認、ならびに高気圧や高酸素の条件検討を行う必要性を見出したことが、学術的意義の一つであると考える。