脳出血後の運動リハビリテーション特異的な効果として、転写因子や血管修復作用物質の上昇をマウス大脳皮質組織の遺伝子網羅的解析で検出した。転写因子Atf3の発現上昇については、リハビリ依存的に、出血部位である線条体に投射する皮質V層ニューロンと、線条体出血部位周辺神経細胞で確認された。一方で血管内皮細胞数と周皮細胞数を定量した結果、これらの細胞数について出血による上昇は認められたが、リハビリ介入による変動は確認されなかった。従い、脳出血後の運動リハビリテーションにより、大脳皮質の神経機能回復は、血管機能レベル(分子制御)と神経での転写因子またその特定タンパク質発現制御により促進される事を示した。
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