マッサージなどの各種徒手療法では体表からストロークする触刺激を用いる。本研究では、触刺激によって快情動状態になること、快情動・動機付けに関連する行動を惹起することを動物実験にて明らかにした。本研究結果は、触刺激を用いる各種徒手療法が意欲向上を促す可能性を示すとともに、徒手療法のもつ精神的効果の生理的根拠を示唆するものである。また、快情動状態にある時の脳波活動パターンを明らかにし、新たな快情動の指標を構築したことから、快情動の脳内回路の解明につながり、触刺激に対する反応性に異常を示す各種精神疾患の治療に向けた創薬研究等幅広い研究分野に貢献しうる可能性がある。
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