研究課題/領域番号 |
19K11475
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
工藤 康宏 順天堂大学, スポーツ健康科学部, 先任准教授 (30410864)
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研究分担者 |
深尾 宏祐 順天堂大学, スポーツ健康科学部, 准教授 (70598375)
工藤 保子 大東文化大学, スポーツ健康科学部, 准教授 (90839490)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 臓器移植者 / 運動・スポーツ実施 / 移植者スポーツ大会 |
研究実績の概要 |
第28回全国移植者スポーツ大会(鳥取県米子市:9/14・15)の視察と、日本移植者スポーツ協会事務局との打ち合わせを行った。大会1日目の9月14日にゴルフ(米子ゴルフ場)、硬式テニス(どらドラパーク米子庭球場)、卓球(どらドラパーク米子市民体育館)、ボウリング(クイーンボウル)の4か所でそれぞ視察を行った。競技参加予定者は、移植者及び移植希望者が50名、ドナー家族2名、 それら家族および関係者25名、大会スタッフ・ボランティア 15名(医療班 5名を含む)、競技審判30名の総計122名であった。 参加者数名にインタビューを行うことができ、移植個所によって異なるものの、移植手術前の運動習慣の有無や頻度、強度などが、術後の運動・スポーツ参加に影響を及ぼすことが示唆された。また、移植前後に本スポーツ大会に参加し、何らかの形で「できる」ことや表彰や参加証などで「認められる」ことが、移植希望者の前向きな行動や考え方に良い影響を与えているのではないかという事例が認められた。それは特に若年世代において顕著とのことであった。そのため協会では運動・スポーツの習慣化を促したいと考えているものの、直接医師から運動・スポーツを推奨するような働きかけはあまり見られず、今のところ多くの場合、運動・スポーツの実施・非実施は移植者自身の選択に左右されており、移植前においてその身体的状況や体力レベルから積極的実施に至る例は少ないのではないかという、事務局スタッフの実感に基づく回答が得られた。 今後の研究推進のための打ち合わせでは、研究の主旨や内容にご理解をいただき、日本移植者スポーツ協会から協力やインタビューを行う高強度・高頻度でスポーツを実施している移植者の紹介などを得られることとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
日本移植者スポーツ協会との打ち合わせを実施し、また、1年目の目標であった移植者スポーツ大会の視察、移植者自身へのインタビューが実施できた。協会との、今後の調査における連携の確約ができた。1年目としては予定通りの進捗状況である。
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今後の研究の推進方策 |
感染症に十分な注意が必要な調査対象者であるため、新型コロナウイルスに代表される現在の社会情勢は今後の研究計画に影響を与えることが懸念される。また、今後、世界移植者スポーツ大会への視察を予定していたが、海外への出国が見送られる可能性があるなど、研究計画の見直しや変更が予想される。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初共同研究者と、全国移植者スポーツ大会の視察および事務局との打ち合わせを実施する予定が、研究代表者のみの実施となったため。次年度については事務局との打ち合わせや臓器移植者に見識の深い医師への聞き取りなどに転用する予定である。
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