本研究ではランナーズハイの原因物質として知られている内因性カンナビノイドの一種である2-Arachidonoyl Glycerol(2AG)が、どのような運動条件で増加するのかを調査した。その結果、乳酸閾値強度のような中強度の運動で血中の2AG濃度が増加すること、その反応は運動開始15分ほどで起こることを示した。また中強度運動による2AGの増加は運動習慣の有無に関係なく認められることを示した。一方で、運動習慣の無い者では2AGの増加が認められなくても集団での運動によってポジティブな感情が増加するとの結果から、運動による心理的な変化には一緒に運動するパートナーの有無も重要であることを示した。
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