研究課題/領域番号 |
19K11500
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研究機関 | 東京医科大学 |
研究代表者 |
福島 教照 東京医科大学, 医学部, 講師 (00408626)
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研究分担者 |
井上 茂 東京医科大学, 医学部, 教授 (00349466)
安部 孝文 島根大学, 学術研究院医学・看護学系, 助教 (30794953)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 幼児期運動指針 |
研究実績の概要 |
本研究の全体構想とは、幼児期運動指針等を活用したポピュレーション(集団)レベルでの社会的介入が幼児(3~6歳)の身体活動の増加、運動能力・体力向上に及ぼす効果を検証し、その実践を実社会で普及していくための包括的評価モデルを構築することである。特に、島根県雲南市の全ての就学前施設に幼児期運動指針等を活用した運動プログラムを提供し、ポピュレーションアプローチによる介入研究を実施すること、幼児の身体活動・運動能力測定を継続的にモニタリングし、経年変化を追跡すること、幼児の身体活動、運動能力向上事業のプロセス評価に有用な指標の選定および改定を行い、最終的な包括的評価モデルを開発することを目的としている。 本年度(2019年4月~2020年3月)は初年度であり、島根県雲南市の全ての就学前施設に幼児期運動指針等を活用した運動プログラムを提供する一環として、雲南市こども政策局および身体教育医学研究所うんなん等が共同して作成したハンドブックを基に就学前施設の関係者と討議を行った。さらに、研究者間で本研究の取り組みの有効性評価を検討するためのRE-AIMモデルによる評価項目を検討した。 また、就学前施設における保育者の幼児期運動指針の活用状況と幼児の体力・運動能力との関連について分析を行った。その結果、就学前施設において指針活用保育者の割合が高いことは、幼児の運動能力のうち協応動作および投力の指標であるソフトボール投げの投距離が長いことと関連する可能性が示唆された。本研究成果の一部は第78回公衆衛生学会総会にて発表した。 引き続き、幼児期運動指針に示されている運動能力調査の項目を中心とした運動能力測定(走力、投擲力、跳躍力、敏捷能力、動的平衡能力、柔軟性)を継続し、RE-AIMモデルによる評価モデルの構築に必要な事業評価を実施しているところである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
現時点、運動プログラムの内容が固まりつつあり、行政機関(雲南市子ども政策局および身体医学研究所うんなん)と就学前施設の担当者との話し合いも回数を重ね進行中である。 ただし、年度末には新型コロナウイルス感染症が流行した影響により、対面による運動プログラム等の提供や、来年度の運動能力・体力測定会の実施に支障が及ぶ可能性が非常に高く、就学前施設の担当者との円滑な連携を継続する方法について検討が必要である。
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今後の研究の推進方策 |
前述の通り、来年度(2020年4月~2021年3月)の本研究における主要アウトカム指標である運動能力・体力測定の実施は困難が予想される。この点、幼児期運動指針内でも示されている質問紙による身体活動量等の測定はこれまでも測定したデータを有しているため、代替指標として用いる可能性なども共同研究者間で検討しておく。これにより目的とする研究成果が得られるよう配慮し、今後の研究の更なる充実を図る。
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次年度使用額が生じた理由 |
調査フィールド調整のための出張をオンライン会議に変更したため必要な経費が計画より少なくなった。
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