スキージャンプの踏み切り動作に伴う空気力の影響について,実際の選手を対象とした風洞実験によって作用した揚力がどの程度上昇速度に貢献しているのか明らかとなった。またその貢献度は最大で上昇速度の26%にも及び,出力が小さい選手あるいは女性の方が男性よりも強く影響を受けることを明らかにした。一方無風状態で大きな上昇速度を発揮できる選手は有風時に揚力によるさらなる速度の増大を得ることは困難と推察された。さらに揚力の作用は踏み切り動作のごく初期に現れることを示したことで踏み切り動作において揚力を効果的に獲得するためには踏み切り動作の初期における姿勢変化が重要であるという技術的示唆を得ることができた。
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