研究課題/領域番号 |
19K11514
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59020:スポーツ科学関連
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研究機関 | 独立行政法人日本スポーツ振興センター国立スポーツ科学センター |
研究代表者 |
山辺 芳 独立行政法人日本スポーツ振興センター国立スポーツ科学センター, スポーツ科学部, 先任研究員 (00346470)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | スキージャンプ / 空気力 / バイオメカニクス / シミュレーション |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は,スキージャンプ女子選手に特有の課題である,踏み切り動作における速度獲得および前傾姿勢への移行動作に関する技術的指針を得ることを目的とする。 具体的には,男子選手の踏み切り動作を比較対象としてジャンプ台における踏み切り動作を比較するとともに,風洞実験室内における模擬踏み切り動作(シミュレーションジャンプ)の空気力(揚力及び抗力)を定量化する。これらの2つの実験によって,踏み切り動作における速度獲得の要因を動力学的な要素と空気力学的な要素とに分類することが可能となり,これまでの動力学的な要因からの知見に加えて空気力を活用した踏み切り動作が明らかになるものと考える。
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研究成果の概要 |
女子スキージャンプ選手および男子コンバインド選手を対象に,風洞実験室において無風及び有風(25 m/s)の気流環境下で模擬踏み切り動作を行わせた。その結果,有風時において選手が発揮した床反力は揚力によって減少していたものの,揚力によって選手が引き上げられる作用によって結果的に大きな上昇速度を獲得していたことが明らかとなった。このような揚力の貢献度は選手によって異なり11~26%であった。女子選手の方が男子選手よりも大きな貢献度を示す傾向が見られた。さらに踏み切り動作の前半部分において揚力の影響が顕著に観察されたことから,踏み切り動作初期の姿勢に揚力獲得の要因があることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
スキージャンプの踏み切り動作に伴う空気力の影響について,実際の選手を対象とした風洞実験によって作用した揚力がどの程度上昇速度に貢献しているのか明らかとなった。またその貢献度は最大で上昇速度の26%にも及び,出力が小さい選手あるいは女性の方が男性よりも強く影響を受けることを明らかにした。一方無風状態で大きな上昇速度を発揮できる選手は有風時に揚力によるさらなる速度の増大を得ることは困難と推察された。さらに揚力の作用は踏み切り動作のごく初期に現れることを示したことで踏み切り動作において揚力を効果的に獲得するためには踏み切り動作の初期における姿勢変化が重要であるという技術的示唆を得ることができた。
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