本研究計画途中で二足歩行の訓練を長期で行っていたニホンザルが急逝してしまい、ウイルスベクターを感染させ、歩行中の運動と姿勢制御を担うと考えらえる皮質脊髄路と網様体脊髄路の機能遮断を行う実験が困難になり、研究計画の大幅な修正が必要となった。上記の実験に加え、歩行中の運動と姿勢制御の神経機構を明らかにするために、四足歩行から二足歩行へ歩容を変換する際の、キネマティクス解析を行った。その結果、姿勢変換は片方の後肢の接地から始まり、その後の姿勢変換期間には下肢の主要3関節の角度の変化や前後肢および体幹の筋活動が続く二足歩行にむけて徐々に変化していくことを明らかにすることができた。
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