決められた大きさの筋力を発揮し続け,その筋力が維持できなくなる現象を疲労困憊と呼ぶ。疲労困憊直後に最大筋力を発揮すると,疲労困憊時に発揮できなくなった筋力を上回る筋力が発揮できることが知られている。この筋力を本研究では超過筋力と呼び,疲労困憊時に発揮されずに残っている能力(余力)が超過筋力の原因なのかどうかを検討した。疲労困憊とその後の最大筋力を発揮するまでの時間,疲労困憊まで発揮する筋力の大きさ,疲労困憊後に発揮する筋力の大きさ,疲労困憊後の最大筋力を発揮する速度について調査したが,いかなる場合にも超過筋力が観察できた。疲労困憊後時には余力が残っている可能性が高いと考えられる。
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