研究成果の概要 |
都内S区の児童館,放課後子ども教室,学童の職員に質問紙調査を実施し,212名の有効回答を得た.職員が感じる子どもの放課後の姿,理想とする居場所のあり方,現状の職員の役割とその限界,働く上でのストレス状況について分析を行った.ユニセフ「子どもにやさしいまち」サミット(ドイツ・ケルン)にて,諸外国の放課後の状況のヒヤリングと放課後施設の視察を行なった(研究1).学童所属の親子(保護者604名,子ども215名)にweb質問紙調査を実施した(研究2).区内T小学校の有志親子43組を対象に,活動軌跡,活動量・歩数,生活時間,メラトニン濃度の測定を行い,学校適応や心身健康状態との関連を検討した(研究).
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
放課後施設は学校内の空き教室使用が多く,活動は多様性に乏しい傾向にある.施設職員の中には施設外の活動を望む意見もあった.狭小空間やスタッフ数の不足は職員のストレス源ともなり,子どもの視点に立った対応が阻害されてしまう.周辺地域の活用を視野に入れた対応が求められる.保護者は安全,子どもは一人一人を大事にしてくれる大人・外遊び・思い切り体を動かす遊びを重視しており,隔たりがあった.放課後対策には安全に偏らない子どもの意見の参照が不可欠である.メラトニン濃度と学校適応・心身健康は一定の関係性や,外遊びと生活リズムや仲間関係への影響から,のびのび遊ぶ放課後の重要性が改めて明らかになった.
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