本研究の目的は高齢ドライバーの運転ハイリスク者を抽出するMulti-taskテストを開発し、その改善可能性を検討することであった。本研究では画面に提示される指示に応じてアクセルとブレーキペダルを踏む課題と手指でカーソルを操作する課題を組わせた装置を開発し、3つのテストを作成した。地域高齢者を対象にテストの難度、種々の身体・認知機能、運転自信度や運転時危険経験、周囲から運転を控える忠告の有無などとの関係を検証した。運転時危険経験や認知機能によってテスト結果に差異が認められた。以上より、本研究で開発したテストは高齢ドライバーの運転ハイリスク者のスクリーニングテストとして有効であることが示唆された。
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