HDL代謝を変動させうる食品成分をトリガーとして、主要なHDL産生臓器である肝臓内に発現する遺伝子を網羅的検索する事で疾患遺伝子を同定し、さらに疾患遺伝子の発現と食環境との相互作用について明らかにすることを試みた。植物葉やその抽出物はHDL代謝を変動させなかったが、キノコの抽出物に変動作用を見いだした。さらにω3脂肪酸と食物繊維の組み合わせや麹発酵により産生された抗炎症物質にもHDL代謝変動作用がin vivoで確認された。肝臓における疾患遺伝子候補として、HDL新生に重要なABCA1だけではなく、ステロールの肝外排泄に関与するABCG5・8の影響についても検証する重要性が見いだされた。
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