研究課題
全身的SOCS3ノックアウト(KO)マウスでは高脂肪食負荷により全身炎症が引き起こされる。この機序として、栄養素自体やその代謝産物が血液細胞に直接的な影響を与えていることを考えたが、マクロファージ、単球、顆粒球などのmyeloid特異的なSOCS3KOマウス(LysM-CreSOCS3fl/fl)やmyeloidprogenitorcellを含む汎白血球特異的なSOCS3KOマウス(Vav-CreSOCS3fl/fl)では高脂肪食負荷をおこなっても全身的なSOCS3KOマウスと同様の全身炎症は再現できなかった。以上からSOCS3KOマウスにおいて高脂肪食誘発性の全身炎症が起こる機序は白血球におけるSOCS3KOではなく、腸管循環に関連した臓器におけるSOCS3KOが重要であることが予想される。今年度はこれらのマウスにおいて腸内細菌叢の変化が、どのように骨髄および腸管において造血および炎症状態に対して影響を及ぼしているかを検討するために、網羅的にサンプル採取を行った。次年度の初旬にデータ解析が可能となるため、骨髄、血漿および腸管におけるサイトカイン、ケモカイン、浸潤細胞などを含めた解析をqPCR、ELISA、フローサイトメトリー法を用いて行う。以上の結果を踏まえ、腸内細菌叢の変化がどのような機序でSOCS3KOマウスにおいて全身炎症を起こすかについてより詳細に検討し、メカニズムを明らかとした上でその結果について論文投稿を行う。
2: おおむね順調に進展している
サンプル採取は順調に進んでおり、次年度より解析が可能である。解析が終了次第、論文投稿を行う。
論文投稿を行うと共に、得られた研究結果をもとに高脂肪食誘発性炎症を抑制可能な因子について模索する。
高額の外注検査が解析に必要であるが、サンプル採取の完了が次年度に繰り越したため。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 1件)
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