食物アレルギー(FA)は、乳幼児から小児に多く、全身性アナフィラキシーを誘発する危険性が高い。しかしながら、根治療法は確立されておらず、抗アレルギー薬やエピネフリン注射による対症療法が主である。したがって、制御性T細胞(Treg)誘導によるFA抑制は、新たな予防・治療法になり得る。先行研究において、Tregを誘導する薬剤が報告されている。また、遺伝子組換え技術を応用した細胞療法が企図されている。しかしながら、安全性や費用面において課題が残っている。本研究では、安価で安全性の高い食品成分に焦点をあて、Treg誘導とFA抑制を検証しており、その学術的・社会的意義は高いと考える。
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