従来研究における秘密分散のセキュリティレベルの定義と,暗号応用先の要件を元に,セキュリティレベルの更新を可能にするアクセス構造を備えた秘密分散の定義を検討した.従来の鍵管理を想定した定義では単調構造(モノトーン)だが,本研究では単調なアクセス構造以外も対象にすることで,鍵管理における多様かつ柔軟な被害の封じ込めを可能にし,暗号応用先の幅を広げた.そして従来および新たな暗号応用先における秘密分散の定義との互換性の確認し,重要特性(演算可能性・正しさ検証)と暗号応用に不可欠な特性の担保とシェアサイズの最小化が両立可能であることを明らかにした.
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