本研究では、固視微動による奥行知覚の計算論的な検討を行った。連続する2枚の画像間に生じるオプティカルフローが有するカメラ運動と奥行情報を、観測量である画像輝度値から高精度に抽出するアルゴリズムとして、オプティカルフローを陽に検出するかしないかの二通りの方式で検討した。オプティカルフローを陽に検出する方式では、従来法ではカメラ運動の推定精度が不十分であることに着目し、最尤推定よりも精度の高いアルゴリズムの構築を行った。オプティカルフローを陽に検出しない直接法の枠組みでは、変分ベイズ法に基づく多重解像度処理アルゴリズムを構築した。
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