本課題では,脳波を用いて正確かつ高速に計算機に文字入力できる快適なシステム実現を目指し,(1)計算機の途中結果を被験者に知らせることによる性能向上,(2)深層学習の導入による推定精度の向上の2点について評価を行った。前者では,被験者に計算機が推定した途中経過を呈示することで,入力へのモチベーションを高めようとするものであり,7割の被験者にその有効性が認められた。後者では,脳波の学習に適したEEGNetを用いたところ,異なる条件下で計測したデータによる転移学習を利用する際,今回の計測条件に合うよう事前に脳波を時間軸上で補正しておくことが精度向上に重要であることが分かった。
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